「抵抗」と「協力」のはざまで揺れる人々
戦時下の欧亜を照射する、比較歴史学の挑戦
〈加害/被害〉の二分法で捉えられない人びとの姿を「グレーゾーン(灰色の領域)」と呼んだアウシュヴィッツの生存者である作家プリーモ・レーヴィ。その思想に触発され、第二次大戦期の日独「帝国」下に現れた統治空間を新視角から注目し、「協力者」の実像解明に取り組む歴史学の新たな潮流。戦時社会を基底から問い直すことで、意図的な歴史の忘却と「修正」に対峙する、西洋史と東洋史の垣根を超えた共同研究の成果。
【本書の特色】
・戦時期の「抵抗と協力のあいだ」(グレーゾーン)に生まれた歴史的現象について、最新の研究成果を交えて、地域横断的に比較分析。
・巻末に、本書で取り上げた歴史的事象を網羅的に見ることができる関連年表を掲載。