ヘイアンブンガクノキョウエン

平安文学の饗宴

中野幸一 編
ISBN 978-4-585-39028-2 Cコード 3095
刊行年月 2023年4月 判型・製本 A5判・上製 512 頁
キーワード 評論,和歌,古典,平安,中世,中古

定価:16,500円
(本体 15,000円) ポイント:450pt

 品切 
書籍の詳細

『伊勢物語』、『源氏物語』、『土左日記』、『更級日記』…。
様々な作品が相互に連関し、漢詩や和歌などにも多大な影響を与えてきた平安文学。
それは平安時代のみならず、近世、近現代の文学など、現代にもつながる潮流となり変容を遂げ続けている。
流動し続ける平安文学の深く豊かな世界を解き明かす。
平安文学研究を領導する22の論考による知の饗宴。

 

 

目次
諸巻の読まれ方をめぐる『源氏物語』作者の意識―順番の問題を中心に、手紙という方法に着目して 有馬義貴
『大鏡』における歌語りの享受―〈負性〉を表す方法として 稲垣智花
『土佐日記』亡児追憶の原形質―『万葉集』からの遡及―付、『讃岐典侍日記』への波及 大倉比呂志
『紫式部日記』と「紫式部日記絵巻」の間―〈描かれた〉五十日の祝いを〈読む〉 川名淳子
三河の国八橋について 木戸久二子
国宝『源氏物語絵巻』「夕霧」の象徴性を読み解く―夕霧の服装がみちびくもの 金秀美
植民地朝鮮におけるメディアと教科書、そして『源氏物語』—「朝鮮日報付録」「学習ページ」の「脚本源氏物語」を中心に 金孝淑
玉鬘十帖の成立と位相 久下裕利
『源氏物語』と「高唐賦」―朝顔巻巻末の藤壷の亡霊出現と柏木の死をめぐる表現における影響の可能性 栗山元子
『蜻蛉日記』兼家の求婚場面試解―「しれたるやうなりや」、「人知れず」歌を中心に 髙野浩
『伊勢物語』芥川章段―女を「おふ」のか「ゐる」のか 早乙女利光
眠れる美女にこがれる薫―源氏物語と川端文学が共有する「エロスの構造」 助川幸逸郎
奈良末・平安初期における初唐総集の受容―釈慧浄編『続詩苑英華十巻』の伝来と流布、及び序文の訓注 半谷芳文
The Tale of Genjiとの日々―ロイヤル・タイラー氏自伝『盲亀大海をたゆたうー自伝的回想録』から 緑川眞知子
『うつほ物語』忠こそ巻と『後撰和歌集』の「涙川」―成立基盤としての貞信公流・九条流 門澤功成
『源氏物語』若紫巻に登場する「左中弁」はどこへ行くのか?─「物語」の人物描写法に関する一考察 山田利博
近世における『いはでしのぶ』諸本の展開─前田家本と京大本の比較からの伝本考 横溝博
幻巻の和歌論―光源氏の現世離脱意識の形成 吉見健夫
『仙源抄』の注釈方法―漢字をあてる注を中心に 河野貴美子
『源氏物語』「篝火」巻における韻律的表現―その全文を対象とした試論 陣野英則
『言経卿記』に見る女性たちの文学作品享受―西御方(祐心尼)を中心として 新美哲彦
『更級日記』の『蜻蛉日記』享受 福家俊幸
あとがき
プロフィール

中野幸一(なかの・こういち)
早稲田大学名誉教授。文学博士。専攻は平安文学。2011年瑞宝中綬章受章。
主な編著書に『物語文学論攷』(教育出版センター、1971年)、『うつほ物語の研究』(武蔵野書院、1981年)、『奈良絵本絵巻集』全12巻別巻3巻(早稲田大学出版部、1987~1989年)、『常用源氏物語要覧』(武蔵野書院、1995年)、『源氏物語古註釈叢刊』全十巻(武蔵野書院、1978~2010年)、『フルカラー 見る・知る・読む 源氏物語』(勉誠出版、2013年)、『ちりめん本影印集成 日本昔噺輯篇』(共編、勉誠出版、2014年)、『正訳源氏物語本文対照』全十冊(勉誠出版、2015~2017年)、『正訳紫式部日記本文対照』(勉誠出版、2018年)などがある。

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