レキシジョジュツトシテノヘイケモノガタリ

歴史叙述としての平家物語

塩山貴奈 著
ISBN 978-4-585-39037-4 Cコード 3095
刊行年月 2024年2月 判型・製本 A5判・上製 288 頁
キーワード 軍記,古典,中世

定価:8,800円
(本体 8,000円) ポイント:240pt

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書籍の詳細

成立以来、さまざまなかたちで広く流布し、社会への大きな効力を持ちつづけてきた『平家物語』。
現代にいたるまで、源平の時代にたいするイメージや歴史認識に小さからぬ影響を与え続けているこの物語には、史実とは距離のある叙述がところどころに散りばめられている。
史実とは異なる「歴史」を語る『平家物語』の歴史叙述とは、いったいいかなるものなのか。何を語るべく成立したものなのか―。
平家嫡流たる小松家にかんする描写のありかたや東大寺の勧進聖、俊乗房重源をめぐる中世の言説などを、これまであまり注目されてこなかった事柄や資料などへ着目し、多角的に検討。
あらたな角度から史実と虚構を含みこんだ『平家物語』の歴史叙述の相貌を照射する。

 

 

目次


第一部 小松家の物語
第一章 土佐守宗実説話成立考
第二章 平重盛の法名をめぐって
第三章 「小松家」のあり方と宗実説話

第二部 物語の形成と展開
第一章 頼朝助命譚にみる重盛と頼朝
第二章 「重衡被斬」の成立背景
第三章 興福寺大乗院尋尊の記す源平の時代

第三部 中世の言説にみる重源
第一章 重源の入宋をめぐる言説とその展開
第二章 重源像の変遷―「匪直也人」「南無阿弥陀仏」―
第三章 重源と東大寺・醍醐寺・高野山の語られ方
第四章 阿波守宗親説話の形成と人物
第五章 『平家物語』の重源



あとがき
初出一覧
索引
プロフィール

塩山貴奈(しおやま・たかな)
1988年東京都生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程修了。
博士(日本語日本文学)。
現在、愛知淑徳大学文学部助教。
専門は日本中世文学。
論文に「平重盛の法名をめぐって」(『国語国文』第88巻第11号、京都大学文学部国語学国文学研究室、2019年11月)、「重源の入宋をめぐる言説とその展開」(『国語と国文学』第99巻第3巻、東京大学国語国文学会、2022年3月)などがある。

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