ウツワトシンコウ

器と信仰

東アジアの舎利荘厳をめぐる美術史・考古学からのアプローチ
加島勝 編
ISBN 978-4-585-32041-8 Cコード 3020
刊行年月 2024年3月 判型・製本 B5判・上製 460 頁
キーワード 美術,仏教,考古

定価:16,500円
(本体 15,000円) ポイント:450pt

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書籍の詳細

釈迦の遺骨として、アジア各地で篤い信仰を集める「舎利」。
その容れ物である舎利容器は、特定の用途を持つ器形や、別の文脈で意味を成した図像が複合的に組み合わされ、舎利を荘厳する器として仕立て上げられた。
それゆえ、「器のかたち」―どこで、どのような器の形状・素材・図様が採用されてきたのかという問題は、「舎利の意味」―舎利が各地域の社会においてどのような存在として受容されたのかということと相関関係を有している。
十数年にわたり行われた中国・日本・韓国・ベトナムの実地調査を礎とした、舎利及びその荘厳に関する最新の知見を三部十四本の論考により提示。
また、資料編では、現地調査にて得られた作例の基礎データ、また、舎利荘厳における大きな画期である仁寿舎利塔の網羅的調査記録を提示、貴重な画像資料も収載した。
美術史学界・考古学界のみならず、日本及び東洋の文化史に関わる領域に広く寄与する画期的成果。

 

 

目次
はじめに 加島勝


◎研究編
第1部
中国・シルクロードにおける舎利容器の形式変遷について 加島勝
中国における棺形舎利容器とそのモデル 岡林孝作
北魏~隋唐時代の舎利埋納方式―地宮・天宮の変遷と舎利容器の組合せを中心に 冉万里(翻訳:稲葉秀朗)

第2部
隋代における舎利埋納制度について 冉万里(翻訳:堀田和敬)
仁寿舎利塔の思想と舎利容器 長岡龍作
神徳寺石函の図様表現と特色 泉武夫
隋時代の舎利容器 加島勝
臨潼慶山寺舎利地宮壁画試論 楊效俊
法王寺2号塔地宮の出土品について 松本伸之
扶風法門寺塔の4つの真身舎利と舎利容器 大島幸代

第3部
法身としての舎利と容れ物―仁寿舎利塔から大仏へ 長岡龍作
ベトナムバクニン省トゥアンタイン県スアンクアン出土の隋仁寿元年舎利石函と舎利塔銘―交州龍編県禅衆寺舎利石函と塔銘調査記 冉万里(翻訳:友田真理)
万安禅院石窟西奥壁の仏涅槃図・金棺出現図浮彫等についての概報 泉武夫
飛鳥時代の舎利信仰における一側面 岡林孝作


◎資料編
仁寿元年の第一次仁寿舎利塔に関する資料集成 大島幸代
資料集成
 1 岐州鳳泉寺/2 雍州仙遊寺/3 嵩州嵩岳寺/4 泰州岱岳寺/5 華州思覚寺/6 衡州衡岳寺/7 定州恒岳寺/8 廓州法講寺/9 牟州巨神山寺/10 呉州会稽山寺/11 同州大興国寺/12 蒲州栖巌寺/13 蘇州虎丘山寺/14 涇州大興国寺/15 并州無量寿寺/16 相州大慈寺/17 襄州大興国寺/18 隋州智門寺/19 益州法聚寺/20 秦州静念寺/21 揚州西寺/22 鄭州定覚寺/23 青州勝福寺/24 毫州開寂寺/25 汝州興世寺/26 瓜州崇教寺/27 番州霊鷲山寺/28 桂州縁化寺/29 交州禅衆寺/30 蒋州栖霞寺
崇福寺塔心礎納置品の材質調査について 加島勝
拓本・碑銘
 拓本1 神徳寺石函線刻/拓本2 山東青州勝福寺/碑銘3 重修広福寺記/碑銘4 瑞応寺再葬仏舎利碑/碑銘5 結九品往生社碑
海外現地調査日誌 2001〜2019 岡林孝作・加島勝

あとがき 加島勝
執筆者紹介
プロフィール

加島 勝(かしま・まさる)
1956年生まれ。大正大学名誉教授・特遇教授、東京国立博物館名誉館員。博士(文学)。専門は仏教工芸史。
著書に『柄香炉と水瓶』(『日本の美術』540号、ぎょうせい、2011 年)、『日中古代仏教工芸史研究』(雄山閣、2016年)、『平泉の文化史3 中尊寺の仏教美術 彫刻・絵画・工芸』(共著、吉川弘文館、2021年)などがある。

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