センゴシュッパンブンカシノナカノカストリザッシ

戦後出版文化史のなかのカストリ雑誌

石川巧 編集代表/カストリ雑誌編集委員会 編
ISBN 978-4-585-39039-8 Cコード 1095
刊行年月 2024年6月 判型・製本 A5判・並製 208 頁
キーワード 書物史,出版,文化史,昭和,近現代,近代

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細
戦後の仇花のような出版物、カストリ雑誌

占領軍の検閲が厳しかった時代、大衆通俗雑誌であるがゆえに、そのいかがわしさ、偽物性、極端なエロ・グロ・ナンセンス表現によって、人々の欲望の本質と実態を暴き、まさに戦後を象徴する事象でありながら、その実態については明らかになっていない……。
カストリ雑誌は戦後の雑誌出版文化にどのような役割を果たしたのか?
主要30誌を解説、またそれらにまつわるコラムを収録。
戦後占領期におけるカストリ雑誌の全貌を明らかにする。

 

 

目次
目次

序論 戦後占領期のカストリ雑誌とその周辺 石川巧

第一部 「カストリ雑誌」主要30誌 解説
はじめに 石川巧
赤と黒 石川偉子
アベック 尾崎名津子
ヴィナス 石川巧
うきよ 石川巧
オーケー 大原祐治
オール小説 石川偉子
オール猟奇 石川偉子
奇抜雑誌 光石亜由美
狂艶 石川偉子
共楽 光石亜由美
サロン 大原祐治
小説世界 石川偉子
新文庫 大原祐治
青春タイムス 尾崎名津子
性文化 尾崎名津子
千一夜 大原祐治
探訪読物 大原祐治
にっぽん 牧義之
ネオリベラル 石川巧
犯罪実話 尾崎名津子
ベーゼ 牧義之
ホープ 牧義之
妖奇 石川巧
読物時事 石川巧
ラッキー 牧義之
らぶりい 光石亜由美
リーベ 光石亜由美
りべらる 尾崎名津子
猟奇 光石亜由美
ロマンス 牧義之


第二部 研究エッセイ
1 カストリ雑誌にみる戦前軟派出版の軌跡 大尾侑子
2 アウトサイダーとしての占領期雑誌 吉田則昭
3 地方都市・名古屋のカストリ雑誌 牧義之
4 「カストリ雑誌」研究を越えて――動態としての占領期雑誌研究のすすめ 前島志保
5 「肉体文学」を消費する――文芸娯楽雑誌『りべらる』 片岡美有季
6 サバを読む――『猟奇』と検閲文書 川崎賢子
7 カストリ雑誌時代の『奇譚クラブ』 河原梓水
8 変るものと変わらないもの:『New サラリーマン』に見る占領期のサラリーマン 鈴木貴宇
9 北川千代三「H大佐夫人」と「其後のH大佐夫人」 光石亜由美
10 久米正雄とカストリ雑誌 山岸郁子
11 織田作之助とカストリ雑誌 尾崎名津子
12 福島鑄郎氏と占領期雑誌研究 宗像和重
13 カストリ雑誌の書誌情報 渡部裕太
14 マガイモノこそカストリ雑誌 渡辺豪

おわりに 石川巧
索引
執筆者一覧
プロフィール

石川 巧(いしかわ・たくみ)
立教大学文学部教授。専門は日本近代文学。
主な著書に『読む戯曲の読み方――久保田万太郎の台詞・ト書き・間』(慶應義塾大学出版会、2022年)、『幻の雑誌が語る戦争 『月刊毎日』『国際女性』『新生活』『想苑』』(青土社、2017年)、『高度経済成長期の文学』(ひつじ書房、2012年)などがある。

カストリ雑誌編集委員会
石川偉子、石川巧、大原祐治、大尾侑子、尾崎名津子、川崎賢子、河原梓水、片岡美有季、木田隆文、鈴木貴宇、高橋孝次、立尾真士、西川貴子、牧義之、前島志保、光石亜由美、宗像和重、山岸郁子、吉田則昭、渡部裕太(*五十音順)

書評・関連書等

★書評・紹介★
「東京新聞」(2024年9月14日、13面)にて紹介されました。

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