アジア遊学298
ムジュウドウギョウノヒラクカマクラジダイ

無住道暁の拓く鎌倉時代

中世兼学僧の思想と空間
土屋有里子 編
ISBN 978-4-585-32544-4 Cコード 1391
刊行年月 2024年10月 判型・製本 A5判・並製 216 頁
キーワード 宗教,説話,鎌倉,中世

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細

『沙石集』、『雑談集』などの説話 集編者として知られる無住道暁(むじゅうどうぎょう、1227~1312。鎌倉後期の臨済宗の僧)。
近年、無住の修学面に関する新資料が公になりその研究も大きく飛躍しているが、彼自身の人生を概観する書籍はない状況である。
無住が幼少期から遁世するまでに過ごした鎌倉、下野国、常陸国。 修学の地であった上野国、鎌倉、京、南都…。
本書では、無住の修学とその背景を彼の人生の流れに沿って見つめ直し、土地・環境、それを介した僧侶間ネットワークに着目し、無住の宗教者としての内実を読み解く。
同時に彼の鎌倉幕府や北条氏に対する関心の高さなど、政治的、歴史的背景も考察。
東国、尾張・伊勢、京・南都をキーワードに、各地における修学と社会的、宗教的、文化的環境の問題など様々な角度から、無住を再検討する。

 

 

目次
序文◆土屋有里子

第一部 修学と環境をめぐる―東国・尾張・京
常陸の宗教世界と無住◆亀山純生
無住と法身房◆土屋有里子
無住と鎌倉―鎌倉の仏教関係説話を中心に◆追塩千尋
尾張長母寺住持無住と地域の人々◆山田邦明
無住にとっての尾張―地方在住僧の帰属意識◆三好俊徳
無住と伊勢神宮―『沙石集』巻第一第一話「太神宮御事」をめぐって◆伊藤聡
円爾述『逸題無住聞書』と無住◆和田有希子
『沙石集』における解脱房貞慶の役割から聖一国師への道―無住が捉えた貞慶の伝承像とその文脈―円爾と交錯する中世仏教の展開◆阿部泰郎

第二部 無住と文芸活動―説話集編者の周辺
ふたつの鼓動―『沙石集』と『私聚百因縁集』をつなぐもの◆加美甲多
『雑談集』巻五にみえる呪願◆高橋悠介
梶原伝承と尾張万歳◆土屋有里子
無住と南宋代成立典籍・補遺◆小林直樹
無住の和歌陀羅尼観―『沙石集』諸本から変遷をたどる◆平野多恵
「無住と『法華経』、法華経読誦」◆柴佳世乃
プロフィール

土屋有里子(つちや・ゆりこ)
学習院女子大学国際文化交流学部教授。専門は日本中世文学、説話文学。
主な著書に『『沙石集』諸本の成立と展開』(笠間書院、2011年)、『内閣文庫蔵『沙石集』翻刻と研究』(笠間書院、2003年)、『『沙石集』の世界』(あるむ、2022年)などがある。

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