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歴史を中心に地方のあり方を描き出す総合的書物、「地方史誌」。 これまでの研究では記載内容が参照されるだけで、「地方史誌」それ自体の総合的検討はなされてこなかった。 しかし、世界に目を向けてみれば、各地の文化・集団に寄り添う「地方史誌」は歴史叙述・歴史認識に結びつき、その比較検討は世界史的な課題と言える。 本書では、世界各地の「地方史誌」における叙述の主体、また、対象となる場や事柄、さらには近代に至るまでの受容の諸相を考察し、「地方史誌」を比較検討するための礎を提示する。
小二田章(こにた・あきら) 1979年生まれ。放送大学人間と文化コース准教授。専門は近世中国史、宋代以降の地方志編纂、東アジアの地方史誌。 著書・論文に「『咸淳臨安志』の位置―南宋末期杭州の地方志編纂」(『中国―社会と文化』第28号、2013年)、『書物のなかの近世国家―東アジア「一統志」の時代』(共編、勉誠社、2021年)、「「地方史誌」研究事始―近世日本の比較検討から」(『史観』第186冊、2021年)、『地方史誌から世界史へ―比較地方史誌学の射程』(編著、勉誠社、2023年)などがある。