聖武天皇と光明皇后を両親とし、史上6人目の女性天皇であった孝謙天皇(重祚して称徳天皇)。
その治世下は必ずしも安定していたとは言えず、宇佐八幡宮事件、道鏡との関係などで取りざたされることが多いが、その一方で仏教に対する信仰が篤かったこと、男性のみならず女性も登用する人事を行ったことなど、特筆すべき事績が数多く残されている。
『続日本紀』に記載されている記事を中心に、『扶桑略記』『諸寺略記』『東大寺要録』『寧楽遺文』『万葉集』など諸種の資料も博捜し、原文と書き下し文を付して編年体にて収録。研究の基盤を提供する。