デジタルアーカイブ・ベーシックス
デジタルデータノチョウキホゾン カツヨウ

デジタルデータの長期保存・活用

その理論と実践
嘉村哲郎 責任編集
ISBN 978-4-585-30305-3 Cコード 1000
刊行年月 2025年3月 判型・製本 A5判・並製 392 頁
キーワード 文化財,総記,アーカイブズ,博物館,図書館,美術

定価:4,620円
(本体 4,200円) ポイント:126pt

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書籍の詳細
デジタルアーカイブを社会基盤として確立するため、保存と運用管理に必要な基盤的要素の現状を考察する

わが国のデジタルアーカイブ(DA)は、横断的な検索プラットフォームとして定着しつつある。
しかし、データ公開に関わる技術や方法論については活発な議論がなされている一方で、デジタルデータを保存するための情報システム基盤や運用管理といったインフラの観点からの検討は不十分な状況にある。
本書では、理論研究の専門家による知見と、情報システム基盤や運用管理の実務的観点を組み合わせながら、デジタルデータ長期保存の理論と実践について論じ、将来のDA活用に向けた基盤づくりをめざす。

*「デジタルアーカイブ・ベーシックス」第3期は全3巻。

 

 

目次
本書の趣旨と構成 嘉村哲郎
序章 デジタルアーカイブにおけるデジタル保存の課題――消えていくデジタルアーカイブ 柴山明寛

第1部 デジタル保存の理論と国際標準
第1章 デジタルアーカイブにおける長期保存のためのシステムとメタデータのモデル 杉本重雄
第2章 デジタル保存実践のための指針――デジタル保存連合の『デジタル保存ハンドブック』と「ラピッド・アセスメントモデル」の検討 平野 泉
第3章 UNESCOにおけるデジタル資料の保存に関する活動 松永しのぶ
コラム1  日本における長期保存の課題――2021 年度国内実態調査から見えてきたこと 国立国会図書館電子情報部電子情報企画課次世代システム開発研究室

第2部 組織における長期保存の実践
第4章 現場から考えるデジタルアーカイブの課題と長期的な継続を図るための具体策 山崎博樹
第5章 国立国会図書館におけるデジタル資料の長期保存に関する取組 国立国会図書館電子情報部電子情報企画課次世代システム開発研究室
第6章 文化財デジタルデータの長期保存と管理 高田祐一
第7章 デジタルデータの保存、管理、活用――コラボレーションについての視点 中西智範
第8章 デジタルデータの保存と管理および活用――企業の視点から 肥田 康
コラム2 I.B.MUSEUM SaaS――博物館デジタルアーカイブのプラットフォームへ 内田剛史

第3部 研究基盤としてのDA
第9章 研究データの始まりから終わりまで――オープンサイエンスにおける研究データ基盤NII Research Data Cloudの役割 込山悠介
第10章 大学・研究機関における研究データ基盤構築に向けて 南山泰之・松原茂樹・青木学聡・結城憲司
第11章 東北大学における総合知デジタルアーカイブ構築 加藤 諭
第12章 持続可能な情報基盤としての東京大学学術資産等アーカイブズプラットフォーム 田口忠祐
コラム3  映画・映像ファイルのデジタル保存――論点の整理と国立映画アーカイブの取り組み 三浦和己

第4部 DAの社会基盤化と文化的価値
第13章 デジタルアーカイブは誰のものなのか、どうあるべきものなのか 渡辺智暁
まとめと展望 デジタルアーカイブの基盤的考察――物理的依存とデジタル価値の相互形成 嘉村哲郎

執筆者一覧
プロフィール

嘉村哲郎(かむら・てつろう)
東京藝術大学 芸術情報センター 准教授/情報戦略統括室(CIO室)。
専門は博物館情報の組織化、芸術作品・資料等のデジタル化およびアーカイブ。
主な著書・論文に『デジタルアーカイブ・ベーシックス4 アートシーンを支える』(責任編集、勉誠出版、2020 年)、「博物館・図書館・文書館から見たアーカイブ史」(『デジタル時代のアーカイブ系譜学』みすず書房、2022 年)、「デジタルアーカイブにおける分散型情報技術を用いたコンテンツ管理と流通」(『デジタルアーカイブ学会誌』6(s3)、2022 年)、「著名な日本人洋画家の属性分析に基づく特徴抽出の試み」(共同執筆、『人工知能学会全国大会論文集』2020 年)などがある。

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