「幸せな北欧」「世界一幸福な国デンマーク」…
日本における「北欧」の典型的なイメージは「幸せ」「幸福」をキーワードにしたものが多い。
「幸福度ランキング」の順位、福祉の充実、ジェンダー平等、無償の高等教育といった具体例が付されることも多い。
そのような日本でのイメージは、どのように形成されてきたのか。
周辺の大国の動向に翻弄された北欧の近現代史において、実際の社会はどのように変化し、世界にどのような影響を与えたのか。
内村鑑三『デンマルク国の話』を参照軸に、北欧や日本の実像とイメージの分析を通じて、「幸せな北欧」とそれを存立させてきた歴史、その歴史を紡いだ人間の良心や勤勉さ、誠実さの中に潜む不可視化された暴力、差別、排除の実態を検証。
近現代の日本・北欧・ヨーロッパの思想や宗教を分野横断的に考察する。