チョウセンノコッカケイセイトヒガシアジア

朝鮮の国家形成と東アジア

武田幸男 著
ISBN 978-4-585-32070-8 Cコード 3022
刊行年月 2025年7月 判型・製本 A5判・上製 608 頁
キーワード 文化史,交流史,中国,東アジア

定価:13,200円
(本体 12,000円) ポイント:360pt

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書籍の詳細

幅広い史料の実証的分析により、古代の政治・社会を浮き彫りにしてきた朝鮮史・東アジア史研究の泰斗、武田幸男。
三韓から三国にいたる国家形成期の重要テーマを論じた珠玉の論考・講演録を収録。
古代東アジア史を考えるうえで日本史研究者も必携・必読の書。

 

 

目次
序言 『朝鮮の国家形成と東アジア』編集協力者一同

第一編 『三国志』東夷伝と東方諸種族
第一章 奴隷制と封建制
一 発展段階論の普遍性
二 戦前における朝鮮史の時代区分論
三 戦後における朝鮮史の時代区分論
四 南北朝鮮歴史学界における時代区分論の展開
五 残された問題
第二章 魏志東夷伝にみえる下戸問題
一 はじめに
二 下戸資料の吟味
三 下戸概念の検討
四 邑落共同体の構造と構成
五 異種族間の支配形態
六 統治組織の諸形態
七 おわりに
第三章 三韓社会における辰王と臣智
一 序言
二 臣智・邑借の新解釈
三 辰王の史的性格
四 辰王と諸韓国の関係
五 辰王をめぐる諸問題
六 結言

第二編 広開土王碑と東アジア
第一章 四~五世紀の朝鮮諸国
第二章 好太王碑の難しさ
第三章 広開土王碑の百済と倭
一 問題の所在
二 碑にみえる百済と倭―「広開土王碑」と朝鮮史料―
三 碑前・碑後の百済と倭―「七支刀銘」・中国史料と朝鮮史料―
四 おわりに
第四章 好太王の時代―四・五世紀の高句麗と東アジア―
一 高句麗史上の好太王
二 東アジア史上の好太王
第五章 碑文からみた四、五世紀の高句麗
一 広開土王か好太王か?
二 広開土王・長寿王親子の時代
三 都の位置と高句麗の趨勢
四 広開土王・長寿王時代の国際関係
第六章 広開土王碑おぼえがき
一 碑文解釈の鍵―「大前置文」説を提唱する―
二 伝承のなかの原石拓本―李雲従拓本の周辺を探る―
第七章 広開土王碑の真意をたずねて
一 「広開土王碑」碑文の三段構成
二 「広開土王碑」辛卯年条の真意
三 「広開土王碑」の国際関係
第八章 集安・高句麗二碑の研究に寄せて
一 「集安高句麗碑」研究への期待
二 「広開土王碑」研究史一三〇年
三 「集安高句麗碑」の段落構成
四 「集安高句麗碑」の立碑問題

第三編 朝鮮三国の国家形成
第一章 朝鮮の国家形成と三国
一 国家形成史の課題
二 古朝鮮、および辰国・楽浪問題
三 高句麗と百済の国家形成
四 新羅の国家形成と加羅
第二章 五~六世紀東アジア史の一視点―高句麗「中原碑」から新羅「赤城碑」ヘ―
一 ひとつの古代東アジア論
二 五~六世紀東アジアの分極体制
三 高句麗「中原碑」の新羅認識
四 高句麗「中原碑」の対新羅関係
五 新羅「赤城碑」にみる新羅の新動向
第三章 六世紀における朝鮮三国の国家体制
一 はじめに
二 官位制の新展開
三 領域統治の進展
四 中央官司制の形成
五 おわりに
第四章 朝鮮三国の国家形成
一 問題の設定
二 中央官司制の形成
三 支配共同体の結集
四 官位制の成立
五 地方統治制の進展
六 国家形成の諸段階
第五章 朝鮮諸国の古代国家形成
一 古代国家形成の問題点
二 朝鮮諸国の中央官制
三 朝鮮諸国の君主号
四 朝鮮諸国の部制・地方組織
五 朝鮮諸国の官位制

第四編 古代東アジア史の諸相
第一章 「始祖廟」記事と高句麗王系
一 はじめに
二 祭祀志「古記」の整理
三 高句麗本紀の「始祖廟」関係記事
四 第二群記事と国内王系
五 第三群記事と平壌王系
六 第一群記事と母神信仰
七 おわりに
第二章 徳興里壁画古墳被葬者の出自と経歴
一 はじめに―問題の所在―
二 被葬者・鎮の出自
三 被葬者・鎮の経歴
四 幽州刺史の実像
五 おわりに―冬寿の場合と鎮の場合―
第三章 『高麗記』と高句麗情勢
一 はじめに
二 『高麗記』への評価
三 『高麗記』の構成とその性格
四 『高麗記』と『奉使高麗記』
五 『高麗記』と唐の高句麗征討
六 おわりに
付 『高麗記』の項目別校訂逸文二二条
第四章 新羅の骨品体制社会
一 はじめに
二 骨品制と京位
三 骨品制と官職
四 骨品制の構造
五 骨品体制の構造
六 骨品体制の転換
七 おわりに
第五章 平西将軍・倭隋の解釈―五世紀の倭国政権にふれて―
一 はじめに
二 平西将軍号の方位性
三 王を中心とする方位将軍号
四 倭国の中心地
五 倭隋の性格
六 倭国の地方統制―おわりにかえて―

初出一覧
索引
プロフィール

武田幸男(たけだ・ゆきお)
1934年生まれ。東京大学名誉教授。2021年逝去。
専門は朝鮮前近代史。
著書に『学習院大学蔵 朝鮮戸籍大帳の基礎的研究』(学習院大学東洋文化研究所、1983年)、『高句麗史と東アジア』(岩波書店、1989年)、『高麗史日本伝』上・下(岩波書店、2005年)、『広開土王碑との対話』(白帝社、2007年)、『広開土王碑墨本の研究』(吉川弘文館、2009年)、『新羅中古期の史的研究』(勉誠出版、2020年)、『新羅政治社会史研究』(勉誠社、2022年)などがある。

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