明治維新の思想的原動力となり、近代国家建設の基軸となった国体論。
その思想はどのように始まり、社会に浸透したのか。また人々にどのような影響を与えたのか。
水戸学における国体論の大成者である會澤正志齋(あいざわ・せいしさい)に光を当て、その生涯や思想に迫るとともに、主著『新論』が西郷隆盛・大久保利通・木戸孝允といった幕末の志士たちに与えた影響を明らかにする。
また、国体論の思想的限界についても触れる一方、現代においてもその理念が生きていることを提示するなど、多角的な視点から国体論の歴史的意義を解明する。