シンソウバン ゲンジモノガタリノワセイトヒョウゲンセカイ

新装版 源氏物語の話声と表現世界

陣野英則 著
ISBN 978-4-585-39055-8 Cコード 3091
刊行年月 2025年10月 判型・製本 A5判・並製 400 頁
キーワード 言語,古典,中古

定価:11,000円
(本体 10,000円) ポイント:300pt

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書籍の詳細

『源氏物語』は、書かれた言葉によってこの世に存在している。その言葉は、物語中の随所で、複雑にしてゆたかな意味を生成しているが、同時にそれは、単なる書き言葉ではなく、作中人物の発言あるいは心中の言葉、さらに物語を口頭で伝える人、それを書き取る人、書かれた言葉を書き写す人、編纂する人、……等々のさまざまな声が重なりあっている言葉として、異彩を放っているようにおもわれる。
それらのさまざまな声=「話声」から、『源氏物語』の言葉の魅力と特質とを解き明かしてゆく。

*本書は2004年刊行の『源氏物語の話声と表現世界』(ISBN:978-4-585-03123-9)の新装版です。

 

 

目次
はしがき
凡 例
序 章 『源氏物語』の言葉といかに向きあうか

Ⅰ 『源氏物語』の話声
第一章 作中人物の話声と〈語り手〉―重なりあう話声の様相―
第二章 『源氏物語』古注釈における本文区分―『光源氏物語抄』を中心に―
第三章 『源氏物語』の〈語り〉の本性―作中人物どうしの話声の重なりあい―
第四章 女房の話声とその機能―「末摘花」巻の大輔命婦の場合―
第五章 〈語り手〉の待遇意識―貴公子に対する待遇表現―

Ⅱ 光源氏をめぐる〈語り〉―第二部とその前後―
第六章 光源氏をもどく鬚黒―出来損ないの〈色好み〉が拓く物語世界―
第七章 六条院世界をみつめる明石の君―明石の尼君の待遇表現の分析から―
第八章 秋好中宮と光源氏―第二部における二人の関係性をめぐって―
第九章 六条御息所の死霊と光源氏の罪―死霊の語った言葉の分析から―
第十章 「柏木・女三の宮事件」後の〈語り〉―薫誕生と女房たちの沈黙―
第十一章 光源氏の最後の「光」―「幻」巻論―
第十二章 「光源氏の物語」としての「匂宮三帖」―「光隠れたまひにしのち」の世界―

Ⅲ 『源氏物語』の話声と〈書く〉こと―物語世界を超えて―
第十三章 紫式部という物語作家―物語文学と署名―
第十四章 物語作家と書写行為―『紫式部日記』の示唆するもの―
第十五章 『源氏物語』と書写行為―書写者の話声―
第十六章 『源氏物語』と唐代伝奇―物語伝承の仮構の方法―
第十七章 『源氏物語』のヘテロフォニー―重なりあう話声と〈読む〉こと―

初出一覧

あとがき

索 引
Ⅰ 事項・人名・書名等索引
Ⅱ 『源氏物語』作中人物名・巻名等索引
プロフィール

陣野英則(じんの・ひでのり)
早稲田大学文学学術院教授。
専門は平安時代文学、物語文学。
主な著書に『藤岡作太郎――「文明史」の構想』(岩波書店、2021年)、『堤中納言物語論――読者・諧謔・模倣』(新典社、2022年)、『新装版 源氏物語論――女房・書かれた言葉・引用』(勉誠社、2025年)などがある。

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