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「詩聖」と称される杜甫。その生涯で多数の詩を残しており、仇兆鰲の『杜詩詳注』には一四五七首が収録されている。 しかし『杜甫集』成立以降、収録される詩数は増加し、偽作の疑いが濃いものも多くある。 本書では、杜甫の作かどうか疑念が持たれている詩について精査し、真作か、偽作か、それとも他詩人の集から誤って入り込んだものなのか、その実情を考察。 また、杜甫の詩に用いられる詩語、杜甫の交友関係から生まれた詩などについて、資料を精査し、作品を丁寧に読み直すことで解明された最新の知見を提示する。
後藤秋正(ごとう・あきのぶ) 東京教育大学文学部漢文学専攻卒業。同大学院博士課程中国古典学専修単位取得退学。北海道教育大学教授を経て、名誉教授。博士(文学)。日本杜甫学会理事。唐代文学、特に杜甫の文学を専門とする。 著書に『中国中世の哀傷文学』(研文出版、1998年)、『唐代の哀傷文学』(研文出版、2006年)、『更に尽くせ一杯の酒―中国古典詩拾遺』(研文出版2009年)、『東西南北の人―杜甫の詩と詩語』(研文出版、2011年)、『杜甫詩話―何れの日か是れ帰年ならん』(研文出版、2012年)、『花 燃えんと欲す―続・杜甫詩話』(研文出版、2014年)、『「春望の系譜―続々・杜甫詩話』(研文出版、2017年)があり、共編著に『漢詩漢文名言辞典』(鈴木修次編、東京書籍、1985年、分担執筆)、『食の名言辞典』(平野雅章、田中静一等編、東京書籍、1999年、分担執筆)、『詩語のイメージ―唐詩を読むために』(松本肇と共編著、東方書店、2000年)、『陶淵明―詩と酒と田園』(安藤信廣・大上正美・堀池信夫編、東方書店、2006年、分担執筆)、『杜甫全詩訳注』(下定雅弘・松原朗編、講談社学術文庫、2016年、分担執筆)、『杜甫と玄宗皇帝の時代』(松原朗編、勉誠出版、2018年、分担執筆)がある。