八〇〇年前の夢の記録
中世日本の思想や文化に大きな影響を与えた明恵上人。
その明恵が自らの見た夢を詳細に書き記した「夢記(ゆめのき)」は、明恵その人の思想や心性を示すのみならず、日本人と夢や精神世界との関係を解き明かすための重要な基礎資料である。
明恵が開いた栂尾・高山寺に伝わる夢記の全篇に翻刻・訓読・現代語訳・語釈・考察を付した決定版。
既刊の『増補改訂版 明恵上人夢記訳注』と併せ、「明恵上人夢記」の全体像を把捉する画期的成果。
【本書の特色】
・夢・思想・宗教・歴史などの分析・検討に広く有用な資料を提供し、文学・思想・宗教・歴史・心理学・日本語学・古筆学・美術等、さまざまな研究分野に裨益する必携の一書。
・「Ⅰ影印」には、「明恵上人夢記」第十篇全体の影印を掲載した。
・「Ⅱ解題」では、「明恵上人夢記」の全体像と研究史を概観。また、高山寺蔵の夢記について詳細な解説を加えた。
・「Ⅲ訳注」では、各夢記について【翻刻】【訓読】【現代語訳】【語釈】【考察】を掲載した。
・「Ⅳ資料」には、研究のツールとして有用な【『華厳仏光三昧観冥感伝』訓読】【夢記年表】【明恵略年表】【固有名詞解説】【夢記関連地図】【参考文献】【人名一覧】【事項索引】を収載した。