人類と干潟とのかかわりを考える――
干潟とは、海と陸とのはざまに発達した領域であり、生態学的移行帯(エコトーン)でもある。
干潟の文化は先史時代から連綿と継承されてきた海辺の文化資産であり、そこに生息する生き物は、ヒトにさまざまな種類の食料をもたらしてきた。
しかし、今日、干潟は埋め立てや護岸工事による破壊、干拓による農耕地化や住宅建設などの、人為による環境破壊により危機的な状態にある。
干潟文化を東アジア、東南アジア、オセアニアの比較事例からひもとき、干潟文化を具体的かつ多面的な次元で考究。考古学、人類学、地域研究、民俗学、地理学、環境社会学などの多様な側面から、「干潟文化」に総合的にアプローチする。
人類が平等かつ心豊かに生きるためのヒントを秘めている干潟。
人類と生き物にとっての干潟の意義について地球規模の視座から理解を促す。