ラクチュウラクガイズビョウブノレキシガク

洛中洛外図屛風の歴史学

歴博甲本から吉川史料館本まで
大塚活美 著
ISBN 978-4-585-32074-6 Cコード 3021
刊行年月 2025年11月 判型・製本 A5判・上製 740 頁
キーワード 中世,近世,室町,江戸,日本史,文化史,美術

定価:13,200円
(本体 12,000円) ポイント:360pt

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書籍の詳細

洛中洛外図屛風についての既発表論文17本を最新の知見より改訂し、研究史、名称、成立背景、受容と伝来、系統分類、景観年代、金雲の形状、貼り札について考察した新稿16本を加えた、研究の集大成。室町時代後期の洛中洛外図のみならず、江戸時代前期・中期の作品も取り上げ、洛中洛外図屛風を体系的に明らかにする。関連作品を網羅した作品一覧、貼り札のある作品の文字を書き起こした貼り札一覧も収載。
歴史学、美術史、建築学、文化史など広く隣接分野に寄与する画期的成果。

 

 

目次
カラー口絵
まえがき

第一部 洛中洛外図屏風とは何か
第一章 江戸時代の洛中洛外図の研究状況
はじめに
一 洛中洛外図の全体像
二 図集と展覧会
三 江戸時代の洛中洛外図研究
四 個別作品の研究
五 新出作品の研究
六 視点の異なる研究
おわりに

第二章 洛中洛外図の名称について
はじめに
一 室町期
二 江戸期
三 近代
おわりに

第三章 江戸時代の洛中洛外図の受容と伝来
はじめに
一 将軍家に関わる洛中洛外図
二 大名家に関わる洛中洛外図
三 寺院に関わる洛中洛外図
四 町人に関わる洛中洛外図及び伝来不明の洛中洛外図
五 洛中洛外図の用途
おわりに

【コラム】貿易品としての洛中洛外図
第四章 洛中洛外図の系統分類方法―研究の視点について―
はじめに
一 構図
二 景観
三 ランドマーク
四 勝手
五 行列
六 描き方
七 雲形
おわりに

第五章 洛中洛外図の景観年代の指標について
はじめに
一 二種類の景観年代
二 中心となる画題の景観年代の指標
三 その他の画題の景観年代の指標
四 画題以外から見る景観・制作年代
おわりに

第六章 洛中洛外図の金雲について
はじめに
一 雲形の技法と種類
二 雲形からみた作品の系統
三 雲形の使い方
四 雲の形
五 胡粉による置き上げ
六 その他の装飾
おわりに

第七章 洛中洛外図の貼り札について
はじめに
一 貼り札の有無
二 枚数
三 時期
四 内容
五 配置
六 紙質
七 文字
八 紙寸などの異なる貼り札
おわりに

第二部 室町時代後期の洛中洛外図屏風
第一章 上杉本洛中洛外図成立の一試論―輿に乗る貴人―
一 輿に乗る貴人の行列
二 行列は細川氏か
三 屏風の発注者は誰か
四 屏風の伝来過程

第二章 洛中洛外図にみる下京の暮らし
はじめに
一 川
二 橋
三 道
四 町家
五 商職人
六 寺社
七 祇園会
八 町自治

第三章 洛中洛外図にみる京郊村落
はじめに
一 村落描写からみた洛中洛外図の展開
二 洛中洛外図にみる村落
三 洛中洛外図にみる農業
四 洛中洛外図にみる農村生活
おわりに

第三部 江戸時代前期の洛中洛外図屏風(一)
第一章 江戸時代の洛中洛外図
はじめに
一 江戸時代前期の洛中洛外図の特徴とその見方
二 江戸時代前期の洛中洛外図
三 江戸時代中期の洛中洛外図
四 江戸時代後期の洛中洛外図
おわりに

第二章 江戸時代の洛中洛外図の主題と構図について―二条城前の行列を手掛かりに―
はじめに
一 二条城前の行列
二 二条城前の行列の歴史的意味
三 江戸時代の洛中洛外図の主題
四 江戸時代の洛中洛外図の構図
おわりに

第三章 林原美術館本洛中洛外図の構図と主題と発注者―室町期・江戸期の洛中洛外図屛風との関係を通して―
はじめに
一 構図
二 主題
三 発注者
おわりに

第四章 林原美術館本洛中洛外図と同一工房の作品について
はじめに
一 作品の概要
二 作品群としての特徴
おわりに

第四章 補論
はじめに
一 林原美術館本系統と同一工房の新たな作品
二 浄願寺本系統と同一工房の新たな作品
三 林原美術館本系統と同一工房の他の作品
おわりに

第五章 堺市博物館本系統洛中洛外図について―耕三寺博物館本の紹介を兼ねて―
はじめに
一 作品紹介
二 諸本の比較
三 堺市博物館本系統の特徴と年代観
おわりに

第六章 林家本系統洛中洛外図について
はじめに
一 各作品の紹介
おわりに

第四部 江戸時代前期の洛中洛外図屏風(二)
第一章 舟木本洛中洛外図の構想について―「当関白」の牛車を手掛かりに―
はじめに
一 構図と描写範囲
二 内裏と二条城
三 公家・武家の行列
四 「当関白」の牛車と舟木本の構想
おわりに

第二章 「舟木本洛中洛外図」再考
はじめに
一 論点の整理
二 牛車の行列について
三 屛風の発注者について
おわりに

第三章 司馬家本系統洛中洛外図について
はじめに
一 各作品の紹介
おわりに

第四章 根津美術館本洛中洛外図の特徴と制作について
はじめに
一 作品の概要
二 研究史
三 作品に描かれたところ
四 他の作品との比較
五 作品の制作について
おわりに

【コラム】洛中洛外図にみる伏見城
はじめに
一 伏見城
二 伏見城を描く
洛中洛外図
おわりに

第五部 江戸時代中・後期の洛中洛外図屏風
第一章 佛教大学本系統洛中洛外図について―甲群、乙群、丙群の三つの系統―
はじめに
一 佛教大学本洛中洛外図の概要について
二 佛教大学本系統の作品群について
三 佛教大学本系統作品群の細分類
おわりに

第二章 住吉具慶本洛中洛外図作品群の描写内容と特徴―江戸時代中期の洛中洛外図屛風の研究―
はじめに
一 住吉具慶本洛中洛外図作品群の資料
二 住吉具慶本洛中洛外図作品群の描写内容
三 住吉具慶本洛中洛外図作品群の特徴
おわりに

第三章 住吉具慶筆洛中洛外図の構想について―生類憐みとの関係―
はじめに
一 住吉具慶筆洛中洛外図の資料
二 洛中洛外図における鴨川・四条河原の描写
三 文献資料から見る鴨川の納涼・川狩
四 住吉具慶筆洛中洛外図の鴨川納涼の意味
おわりに

第四章 洛中洛外図屛風歴博F本の位置付けについて
はじめに
一 江戸時代の洛中洛外図
二 歴博F本の概要
三 歴博F本と同系統の作品
四 歴博F本の特徴
おわりに

第五章 渡辺美術館本系統洛中洛外図について
はじめに
一 作品の紹介
二 歳時の描写と制作順
おわりに

第六章 朝鮮通信使行列を描くボストン美術館本洛中洛外図について―天和三年の将軍献上屛風の可能性―
はじめに
一 ボストン美術館本洛中洛外図について
二 ホノルル美術館本洛中洛外図と今井町本洛中洛外図について
三 天和三年の将軍献上屛風
四 ボストン美術館本の将軍献上屛風の可能性
おわりに

第七章 吉川本洛中洛外図の制作背景―歌人宣阿と『陰徳太平記』との関連―
はじめに
一 作品の概要
二 貼り札の情報
三 歌人宣阿による制作の可能性
おわりに

展示批評 企画展示「洛中洛外図屛風と風俗画」

付論一 『都百景』の制作と構成について―描かれた幕末の京都―
はじめに
一 『都百景』の制作に関して
二 『都百景』の目録・題簽・名所の選択に関して
三 描かれた幕末の世情
おわりに

付論二 京都舎密局の写真事業―公文書と写真資料から―
はじめに
一 京都舎密局と明石博高
二 公文書等にみる京都舎密局の写真
三 宮内庁書陵部にある京都舎密局の写真
四 京都学・歴彩館にある京都舎密局の写真
五 京都舎密局との関係を窺わせる写真
おわりに

終 章 まとめと課題

洛中洛外図屏風の貼り札
図版出典一覧
初出一覧
あとがき 洛中洛外図の研究を振り返って
索引
プロフィール

大塚活美(おおつか・かつみ)
1959年、滋賀県に生まれる。立命館大学文学部史学科日本史学専攻を卒業後、1982年より京都府に学芸員として勤務(京都府立総合資料館、京都文化博物館、京都学・歴彩館)。その間に佛教大学歴史学科修士課程を修了。認証アーキビスト。退職後は京都府立大学非常勤講師。高島市と竜王町の文化財保護審議会委員。
主な著書に『日本歴史地名大系 滋賀県の地名』(共著、平凡社、1991年2月)、『図説安倍晴明と陰陽道』(共著、河出書房新社、2004年8月)、『石の文化財から探る滋賀の歴史』(サンライズ出版、2024年11月)などがある。

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