信州松島村(現・長野県上伊那郡箕輪町松島)における名主格の百姓・門屋に残る「門屋文書」。
江戸時代初期から末期に至る五〇〇点超の文書群を紐解き、穀物や野菜といったモノの移動や冠婚葬祭・娯楽・医療・教育など当時の百姓たちの日常、さまざまな身分・職業の人々が往来する伊那街道の実態を紹介。
門屋十四代目にあたる著書が、丹念な文書読解、客観的な数値分析によって、当時の農村の実態を百姓の目線から解明する。
「江戸時代の百姓は土地に縛りつけられていた」という古い江戸時代観とはちがう、当時の百姓たちの生き生きとした日々がみえてくる。
貴重な文書写真を多数掲載。各種付表・文書目録も完備した快著。