アジア遊学325
ヤナギダクニオトヨウカイ

柳田国男と妖怪

石井正己・香川雅信 編
ISBN 978-4-585-32571-0 Cコード 1339
刊行年月 2026年9月 判型・製本 A5判・並製 304 頁
キーワード 近代,民俗学,文化史

定価:3,520円
(本体 3,200円) ポイント:96pt

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書籍の詳細

柳田国男と妖怪、というテーマは、意外なことにこれまであまり論じられてこなかった。
しかし実際には、柳田はかなり初期の段階から妖怪に強い関心を持っており、昭和初期にその民俗学が明確に体系立てられた時には、最も重要な意味を与えられることになったのである。
「妖怪」は、柳田国男の「最初の疑問」であり、その民俗学の隠れた原動力でもあった。そして「最後の失望」であり、いまだ解き得ない謎として、その後も残されたのである。
柳田はどのようにして妖怪に興味を持ち、研究を進めていったのか。
柳田国男の手になる妖怪辞典として受容されている「妖怪名彙」の本意はどこにあったのか。
現在、柳田国男の妖怪研究はどのような形で活用されているのか。
「柳田妖怪学再考」「『妖怪名彙』の逆襲」「拡大する柳田国男」という三部により、「柳田国男と妖怪」の過去・現在・未来をそれぞれ見通し、柳田国男の思想を俯瞰しつつ、その「妖怪」に関する思考について論じる。

 

 

目次
はじめに――柳田国男の妖怪研究と本書の位置づけ  香川雅信

第1部 柳田妖怪学再考
柳田国男と播磨の怪談  石井正己
『妖怪談義』の地層を読む  佐藤健二
声の文化としての妖怪――柳田妖怪論を読み直す  伊藤龍平
【コラム】柳田国男と七不思議  横山泰子
よみがえる残存――妖怪の症状的時間性  廣田龍平
平田篤胤と柳田国男の妖怪観――幽冥への視座をめぐって  今井秀和
青森の河童・北海道の河童――柳田国男が向けた「メドチ」と「ミンツチ」への視線 
太田原潤
【コラム】青森における近世の河童関連資料  太田原潤
柳田国男の「祟り」論と『郷土生活研究採集手帖』  大江篤

第2部 「妖怪名彙」の逆襲
「妖怪名彙」をさかのぼる  化野燐
「妖怪名彙」のコナキジジ  香川雅信
小豆洗い隨考  木場貴俊
妖怪名を収集する――『現行全国妖怪辞典』についての一考察  木下浩
【コラム】「スナカケババ」の謎――奈良の話を中心に  木下昌美
奈良のジャンジャン火――怪火伝説の特徴と意味  齊藤純
ツチコロビについて――「妖怪名彙」における視点の考察と現在の伝承 小林光一郎

第3部 拡大する柳田国男
活用される柳田国男――創作の中での日本民俗学の父の軌跡  峰守ひろかず
【コラム】韓国の妖怪研究における柳田国男の可能性  金容儀

【附録】「柳田国男と妖怪」参考文献目録  沖山槙之介
プロフィール

石井正己(いしい・まさみ)
東京学芸大学名誉教授、柳田國男・松岡家記念館顧問ほか。専門は国文学・民俗学など。
主な著書に『源氏物語 語りと絵巻の方法』(三弥井書店、2024年)、『鯨庭漫画 遠野物語』(監修、KADOKAWA、2024年)、『世界の昔話を知るために!』(編著、三弥井書店、2026年)、『柳田国男自伝』(校注、角川ソフィア文庫、2026年)、『総括柳田国男・口承文芸論』(三弥井書店、2027年)、『柳田国男大事典』(佐藤健二との共編、勉誠社、近刊)などがある。

香川雅信(かがわ・まさのぶ)
兵庫県立歴史博物館学芸課長。専門は日本民俗学。
主な著書に『江戸の妖怪革命』(角川ソフィア文庫、2013年)、『図説 日本妖怪史』(河出書房新社、2022年)、『妖怪を名づける 鬼魅の名は』(吉川弘文館、2024年)などがある。

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