アジア遊学327
キバミンゾクセイフクセツヲサイコウスル

騎馬民族征服説を再考する

考古学からみたヒト・モノ・文化の移動
諫早直人 編
ISBN 978-4-585-32573-4 Cコード 1320
刊行年月 2026年10月 判型・製本 A5判・並製 336 頁
キーワード 古代,日本史,世界史,アジア,民族学

定価:3,850円
(本体 3,500円) ポイント:105pt

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書籍の詳細
騎馬文化伝播の背景を、原点から問い直す

東洋史家・江上波夫により、一九四八年に提唱された騎馬民族征服説(日本列島騎馬民族征服王朝説)。
現在の天皇家のルーツを古墳時代に日本列島に渡来侵入した大陸北方系(具体的には夫余系)騎馬民族に求めるこの学説は、発表当初より多方面に影響を与え、分野を横断した様々な議論を呼び起こしたが、現在のアカデミズムの中では否定されて久しい。
しかし、近年の諸分野での研究の展開は、この過去の一学説の再評価を促している。
大陸からの大規模な人口移動の可能性を示唆する遺伝学的研究、江上が「ミッシング・リンク」とした資料上の空白を解消する大陸における考古学調査――
これらの最新の知見を盛り込みつつ、騎馬民族征服説の展開と学史的意義、淵源ともいえる東方ユーラシアにおける騎馬文化の展開、さらには日本列島における騎馬文化の出現とその背景を探る。

 

 

目次
序論 騎馬民族征服説を再考する 諫早直人

第1部 騎馬民族征服説とその後の展開
江上波夫・騎馬民族説の周辺    石川日出志
騎馬民族征服説と日本考古学 諫早直人
騎馬民族征服説と日本古代史 田中史生
韓国における騎馬民族説 金省昊
騎馬民族征服王朝説の国際的展開    ジョセフ・ライアン

第2部 騎馬民族征服説の原郷を探る
中国古代における家畜馬の出現と騎馬習俗の受容 菊地大樹
匈奴の騎馬文化 中村大介
夫余・鮮卑の騎馬文化 向井佑介
中国魏晋期の騎馬文化とその継承・発展 大平理紗
韓半島の騎馬文化 李鉉宇
考古資料と民族誌からみた馬の生産と管理 大谷育恵

第3部 日本列島における騎馬文化の出現と展開
日本列島における家畜馬の渡来と普及―ウマ遺存体からみた古墳時代の馬飼い集団の出現と拡散 丸山真史
九州騎馬文化の受容・展開と地域的特質 神啓崇
河内湖沿岸における騎馬文化の出現と展開 實盛良彦
【コラム】奈良盆地における騎馬文化出現をめぐって 青柳泰介
飯田における初期騎馬文化の展開―馬の導入と「生産」をめぐる問題を中心に 春日宇光
榛名山麓における騎馬文化の出現と展開 右島和夫
【コラム】日本列島における牛の渡来と普及 植月学

第4部 騎馬文化出現前後のヒト・モノ・文化の移動
準構造船による馬の海上輸送 塚本浩司
古代東アジアにおける国家間の馬の授受―海を越える馬たち 河野保博
【コラム】古代ゲノムからみた東アジアにおける馬と人 覚張隆史
言語学からみた騎馬文化出現前後の人口移動 遠藤光暁
炊事様式の変化と渡来人の移住 長友朋子
北東北における騎馬文化の出現と人口移動 松本健速
【コラム】畑作文化と馬文化の渡来 篠原徹
プロフィール

諫早直人(いさはや・なおと)
京都府立大学文学部准教授。専門は東北アジア考古学。主な著書・論文に『東北アジアにおける騎馬文化の考古学的研究』(雄山閣、2012年)、『牧の景観考古学古墳時代初期馬匹生産とその周辺』(編著、六一書房、2023年)、『東方ユーラシア馬文化の研究』(共編著、臨川書店、2026年)などがある。

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