カートは空です。
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幼い頃の過ちで弟を失明させてしまった自責の念から、僕はひとり、郷里を離れた。久しぶりに帰郷した僕と弟はかすかな交流をもつが、僕の決断は、兄弟を結びつけると同時に、思いもよらぬ死を招いてしまう…60年代末の〈政治の季節〉を背景に、希望のない未来への震えを描く処女作「溜息まじりの死者」(『つつしみ深く未来へ』所収)のほか、ベトナム戦争下、沖縄のナイトクラブで働いた体験を描く文壇デビュー作「途方にくれて」(『途方にくれて』所収)など、最初期の作品を収録。立松文学の原形質がここにある。