男たちの戦いの裏で展開した、命の継承をめぐる女たちの闘い―
歴史と物語の接点を現代視点で読み解く!
お江の父・浅井長政は、信長との闘いにより自刃。生き延びた母お市も越前・北之庄にて自刃。戦乱の世に生を受け、数奇な運命に翻弄されたお江は、三度目の婚姻により二代将軍・秀忠の正室となった。大奥での春日局と熾烈な暗闘、家康の背後で動く黒衣の宰相・天海。次代の将軍は忠長か家光か。歴史と文学をつなぎ、崇源院・お江と彼女の生きた時代を浮き彫りにする。
戦国の覇者、信長は本能寺の変で最期を遂げた。信長を弑した光秀一族も秀吉の前に滅び、その秀吉が生涯を閉じると、家康と嫡男・秀忠と豊臣秀頼・淀殿との熾烈な戦闘が展開された。
弱者は強者に従う。これが、戦国時代の宿命である。二代将軍・徳川秀忠と妻お江の時代は、まさに戦国残照という名称がふさわしく、信長から続く戦国時代の覇者たちの延長線上に存在するものであった―