豊かな物語の沃野を拓いている最古の長篇『うつほ物語』、その多角的な読み解きから物語史を更新するための論点を提示する。
第Ⅰ篇では、古代から中世へ向かう転換期の歴史文化上の問題を照らし合わせ、物語のライトモチーフを証し立てる分析を通して、長篇物語の表現形成の特質を追究する。
第Ⅱ篇では、『源氏物語』と本居宣長の関係を基準として、細井貞雄を中心に、近世の享受の様相を見通す。
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書評掲載
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日本文学(平成21年5月号)、書評欄に紹介されました。(評者:西本香子)