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気の文明と気の哲学

蒼龍窟 河井継之助の世界
大橋健二 著
ISBN 978-4-585-03220-5 Cコード 1010
刊行年月 2009年4月 判型・製本 A5判・上製 304 頁
キーワード 幕末,明治,思想,哲学

定価:3,850円
(本体 3,500円) ポイント:105pt

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書籍の詳細

日本人の心と日本文明の基底を問い直す!

日本古来の風土の中で芽吹き、武家文化や民俗信仰である神道などによって育まれ、
中国思想に裏打ちされ日本人の心となった「気」―。ここに形成された日本伝統における「気」=「虚」
という文化・文明の「型」は、明治維新を機に変更・変質させられた。司馬遼太郎『峠』で知られる幕末の越後長岡藩家老
河井継之助を軸に、陽明学との関係も交え、日本における「気」の哲学とその文明論的意義を考察する。

 

 

目次
はじめに
序、「気」とは何か 
 究極物質として 身体性における「気」
第一章 日本の「気」
1 日本的な「気」
 武士の「気」 幸田露伴と王陽明 土着的な「気」 
2 「気」と陽明学
 頭山満と「気」 陽明学と「気学」
3 「気」の化身―河井継之助
 身体性としての「気」 「蒼龍依起雲雷」圧倒的な存在感 河井の「気学」
第二章 「気学」の系譜
1 存在論的な「気」
 荘子と「太虚」 張横渠から朱子へ
2 生命論的「気」―王陽明
 万物一気―万物一体 「情」と「気」の哲学者
3 日本陽明学と「気」
 中江藤樹と「気」 熊沢蕃山と「気」の哲学 「太虚」と大塩平八郎
4 山田方谷の「気学」
 神の如き儒者 「一気の自然」―中江兆民の先駆 
第三章 「気」の実学 ―河井継之助の「気学」
1 死生一如「万物一気」の身心論
 古賀塾「久敬舎」 遊郭と「気」
2 民本主義―「万物一体」の経世論
 「赤」の思想―儒教的民本主義 「民は国の本、吏は民の雇」
3 北越戊辰戦争―「傲なるもの」との戦い
 北越戦争批判 局外中立主義 北越征討軍との会談 「気学」の挫折 現代日本における 河井継之助
4 明治維新と「空気の支配」
 先覚者の時代認識 維新と「空気」
第四章 「気」の哲学と「虚」の文明
1 非戦の論理
 不義の戦争と義戦論 非戦主義
2 自己否定の論理
 治者と自己否定 西田幾多郎と「気」
3 「気」=「虚」の文明
 西欧覇道の猿真似 「陰」と「陽」の気 「虚」―日本の「国のかたち」
おわりに

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