遊学叢書25
チュウゴクショウスウミンゾクトニホンブンカ

中国少数民族と日本文化

古代文学の古層を探る
工藤隆 著
ISBN 978-4-585-04085-9 Cコード
刊行年月 2002年7月 判型・製本 四六判・上製 288 頁
キーワード 上代,古代,中国,民俗学

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細

『古事記』から、無文字時代の日本の状況を読み解くことができる。著者はこのように考える一人で、当時の風習や祭の様子を再現すべく、中国の少数民族の年中行事などの文化と比較しながら古代日本研究を進めている。本書には、その調査と考察の成果をいくつかのテーマ別に収録。中でも、風土記などにもみえる「歌垣」の再現のために白族の集落を訪ね、今も行われる現地の歌垣を紹介する章に、力が入っている。

 

 

目次
序 章
 1 〈古代の近代〉と明治の近代
 2 〈古代の古代〉のイメージを作るために
 3 古事記は混合言語で書かれている
 4 古事記は[神話の現場の八段階]の《第七段階》の書物
第一章 神話と系譜
 1 少数民族という用語
 2 古事記には系譜記事が多い
 3 父子連名
 4 父系・母系と万世一系
第二章 歌垣の現場からの歌垣像
 1 歌掛けと歌垣
 2 理念の歌垣のなかの恋愛諸局面
 3 現場の歌垣での持続の論理こそが重要
 4 [歌垣の現場のX段階]
 5 白族のラオサンリンの歌垣
 6 白族の《第一段階》の現場歌垣
第三章 排泄物と生け贄
 第一節 神話と排泄物
  1 排泄物から良きものが生まれる神話
  2 少数民族と糞尿処理
  3 縄文・弥生ではどうだったのだろう
  4 排泄物の呪力とアメノイワヤト神話
 第二節 文化としての首狩り
  1 生け贄儀礼のない国での生け贄論
  2 〈古代の古代〉には生け贄儀礼があった
  3 日常としての生け贄儀礼
  4 ワ族の農耕儀礼としての首狩り
第四章 黄泉の国神話を読み直す
 第一節 葬送(一)─死霊との闘い
  1 死者には帰って来てほしくない
  2 死霊と刀
  3 送り届けて遮断して、現実を取り戻す
 第二節 葬送(二)─死者の世界からの生還
  1 別れの口実を歌う─ヤマトタケル葬歌の原構造
  2 死者は呪い、生者はそれに対抗する
  3 黄泉の国神話を原型に返す

あとがき
語句索引
引用・参照の著書・論文一覧

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