坐してむなしく老衰死を待つか
生まれ変わる方途はいずこに
国文学が存亡の危機にさらされている。国公私立の各大学・短大では国文学科(日本文学科)の看板がおろされ、他学科への併合・吸収を強いられている。中学・高校の国語教科書からは古典文学や漢文が姿を消しはじめた。国からの科学研究費でも減額がつづいている。しかし、何より憂慮すべきは、実学尊重の時流の中で、国文学の存在の意味を説得する理論を国文学者が持ち合わせていないようにみえることである。
国文学は坐して老衰死を待つか。それとも自己変革をとげて、新しい時代の学問に生まれ変わることができるのか。