三十数年間、老人の後半生はこの戦いのためだけに費やされてきた。
だが身近な家族や親しい友人を含めて、周囲の人々は、なぜ老人が血と汗を流して築き上げてきた財を惜しげもなく投じ、他人から見れば酔狂にしか見えないような活動へと突き動かされるのか、その心を理解することはできなかった―
日本植民地下の台湾で生まれ、戦中・終戦直後の日本で危険を冒しつつも巨大な成功を掴んだ王増祥。
香港では一代で上場企業を築き上げるが、日本株の大規模取得から、企業社会との鋭い摩擦に直面する。
近現代アジアにおける「日本」と「中華圏」の相克から生み出された波乱の時代。
一人の華人実業家の生涯と決して満たされることのなかった心の闇を描く。
※書評掲載
サーチナ・中国情報局「コラム」に紹介されました。
『読売ウイークリー』(2008.3.30)「今週の7冊」欄に紹介されました。
『経済界』(2008.4.1)「書評」欄に紹介されました。
『フジサンケイビジネスアイ』(2008.3.29)で紹介されました。
「京都新聞」(2008.4.20)読書欄に紹介されました。
「信濃毎日新聞」(2008.5.11)読書欄に紹介されました。