九曜文庫蔵 源氏物語享受資料影印叢書 全十二巻
■編集方針
◇本集は、九曜文庫の所蔵する源氏物語関係の文献資料の中から、注釈や享受資料など、十九点を選択し、これらを十二巻にまとめて影印刊行する。
◇文献の選択に際しては、源氏物語研究の基盤たるべく学術的に価値あるものを中心とした。
◇解説は、書誌的解題を旨としたが、必要に応じて資料の特質・価値などにも言及した。
■本集の特色
◇源氏物語の研究史・享受史を彩る典籍の一大宝庫「九曜文庫」より、新資料・稀覯本を含む貴重な文献資料を公開。
◇古注・梗概・評論・絵入り本など、源氏物語享受の様相を伝える基礎資料を幅広く収載。
◇源氏物語をはじめとする国語国文学の研究者や愛好家はもとより、研究室・図書室に必備の基礎資料集成。
細流抄
三条西家の源氏学の根幹をなす三条実隆の注釈書で、いうまでもなく『源氏物語』研究の必備の文献。
細流抄の全巻の影印公刊は初めてである。
本書は各冊に美麗な色替りの題簽を貼付した二十冊の揃本で。五冊ずつ四段引出しの桐箱に納める。
伝来の少ない全巻一筆の室町期写本の善本。
各巻頭に「読杜草堂」の朱方印があり、寺田望南の旧蔵書と知られる。