「沖縄」を体現する作家の歩み。
沖縄初の芥川賞作家・大城立裕。
大城文学の根源と、共に歩んできた沖縄の戦前・戦中・戦後の歴史を貴重な写真と本人による回想で描く。
沖縄文学、そして沖縄を理解するための待望の文学アルバム。
―大城立裕・刊行の言葉―
敗戦で上海を引きあげたとき、写真の持ち帰りを禁じられましたが、私とともに生き延びた写真があります。それらを並べてみたら、「沖縄」と私自身が二重写しになって見えます。生家の風景を出発に、学校、家庭の内と外、勤めと執筆、演劇、取材と公用の国内外の旅行などなどの写真に、思い出のようなものを書き添えました。それに研究者のみなさんが、いろいろの紹介を書いてくださいました。芝居の舞台にのったようで、照れくさいのですが、観客になって楽しんでいただけたら、と思います。