アジア遊学185
キンセイカロントニホン

「近世化」論と日本

「東アジア」の捉え方をめぐって
清水光明 編
ISBN 978-4-585-22651-2 Cコード 1320
刊行年月 2015年6月 判型・製本 A5判・並製 312 頁
キーワード 日本史,江戸,近世

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細

東アジア、そして、日本における「近世」とは何か?
この問いは、「東アジア」「日本」という枠組み、「近世」という時代区分、その背景にある秩序、そして、東アジアの来歴や現状へと繋がる歴史認識への問いにほかならない。
諸学問領域から「日本」そして「近世化」を論究することで、従来の世界史の枠組みや歴史叙述のあり方を捉えなおし、東アジア世界の様態や変容をトータルに描き出す画期的論集。

 

 

目次
はしがき  清水光明
序論 「近世化」論の地平─既存の議論群の整理と新事例の検討を中心に  清水光明

Ⅰ 「近世化」論における日本の位置づけ─小農社会・新興軍事政権・朱子学理念
日本の「近世化」を考える  牧原成征
二つの新興軍事政権─大清帝国と徳川幕府  杉山清彦
【コラム】「近世化」論における中国の位置づけ  岸本美緒
十八世紀後半の社倉法と政治意識─高鍋藩儒・千手廉斎の思想と行動  綱川歩美
科挙と察挙─「東アジア近世」における人材登用制度の模索 清水光明
東アジア政治史における幕末維新政治史と
〝士大夫的政治文化”の挑戦 ─ サムライの〝士化”   朴薫
【コラム】「明治百年祭」と「近代化論」  道家真平

Ⅱ 「東アジア」の捉え方
織田信長の対南蛮交渉と世界観の転換  清水有子
ヨーロッパの東アジア認識─修道会報告の出版背景  木﨑孝嘉
イギリス商人のみた日本のカトリック勢力─リチャード・コックスの日記から  吉村雅美
【コラム】ヨーロッパ史からみたキリシタン史─ルネサンスとの関連のもとに  根占献一
近世琉球の日本文化受容  屋良健一郎
近世日越国家祭祀比較考─中華帝国の東縁と南縁から「近世化」を考える  井上智勝
【コラム】「古文辞学」と東アジア─荻生徂徠の清朝中国と朝鮮に対する認識をめぐって  藍弘岳
◎博物館紹介◎
「アジア学」資料の宝庫、東洋文庫九十年の歩み  岡崎礼奈

Ⅲ 近世史研究から「近代」概念を問い直す
儒教的近代と日本史研究  宮嶋博史
「近世化」論から見た尾藤正英─「封建制」概念の克服から二時代区分論へ  三ツ松 誠
【コラム】歴史叙述から見た東アジア近世・近代  中野弘喜
清末知識人の歴史観と公羊学─康有為と蘇輿を中心に  古谷創
【コラム】オスマン帝国の歴史と近世  佐々木紳
ヨーロッパ近世都市における「個人」の発展  高津秀之
【コラム】東アジア国際秩序の劇変─「日本の世紀」から「中国の世紀」へ  三谷博
プロフィール

清水光明(しみず・みつあき)
跡見学園女子大学兼任講師。専門は日本近世史・日本思想史。
論文に「「御新政」と「災後」―天明の京都大火と中井竹山」(「日本歴史」七六五、2012年)、「須弥山をめぐる冒険―富永仲基の場合」(「年報地域文化研究」一五、2012年)、「天文暦学と政治観測―麻田剛立とその周辺」(「懐徳堂研究」五、2014年)などがある。

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