2016年で生誕150年、没後70年を迎えたH・G・ウェルズ(1866-1946)。SFの父と呼ばれ、「タイムマシン」「透明人間」「宇宙戦争」など、今にも読み継がれる作品を生み出してきた。
一方で、彼の作品は、核の脅威、自然破壊などの環境問題、遺伝子などからの人体改造に関する倫理と科学の問題など、現代につながる問題を先駆的に問うている。
産業革命の時代、科学の勃興の時代において、すでに科学の問題を先んじて捉えていた彼の作品を読み解き、その想像力の根底にある時代背景と時代への視点を探ることで、当時の科学へのまなざしと今につながる科学の根本問題を明確にする。
「来たるべき SFを見よ!
モダニズム文学史を一新する快刀乱麻ーー
これは現在望みうる最良のウェルズ再入門書だ。」
慶應義塾大学教授・巽孝之
ハーバート・ジョージ・ウェルズ(Herbert George Wells, 1866年-1946年)
『タイムマシン』(1895年)、『透明人間』(1897年)、『宇宙戦争』(1898年)など、数々の名作を残し、SFの父と呼ばれるイギリスの作家。
科学的知識を元に、科学技術を突き詰めた未来像を予見する作品を発表、作家コンラッドやジェイムズらから賞讃を得、人気を博した。後年は社会活動に力を入れるなど、その影響は多岐に渡った。