シュリジョウヲトク

首里城を解く

文化財継承のための礎を築く
高良倉吉 監修/島村幸一 編
ISBN 978-4-585-32001-2 Cコード 1020
刊行年月 2021年9月 判型・製本 A5判・並製 336 頁
キーワード 文化史,交流史,東アジア,日本史

定価:4,180円
(本体 3,800円) ポイント:114pt

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書籍の詳細
首里城を歴史的・文化的に考えるために――

中国や日本、東南アジアなどとの海を越えた交流により独自の文化を築いた琉球王国。
首里城は、その政治・外交の中心を担い、琉球王国の文化の豊穣さを体現する一大建造物である。
数度の火災、琉球処分や沖縄戦など、歴史の荒波のなかでその大部分を損壊することとなったが、数多の人びとの尽力により、首里城復元事業が推進され、2000年には世界遺産として登録されることとなった。
しかし、2019年(令和元年)10月31日未明、首里城を火災がおそい、正殿と北殿、南殿が全焼し、その再建・復元は喫緊の課題として、現在検討が進められている。
失われた首里城を取り戻すために、いま、必要な知識は何か。
考古学・歴史学・建築学・文学など、諸分野の第一人者を集結、首里城の歴史と文化を解き明かし、再建に向けた礎を提示する画期的な書。

 

 

目次
序文 島村幸一

首里城を創る―正殿を中心に 高良倉吉

考古学から
首里城の原点についての一考察―グスク時代の遺跡で見られる隔離空間を再考する 山本正昭
出土陶磁器から見た首里グスク 瀬戸哲也
〈コラム〉 トカラ・熊毛諸島の城郭遺跡 伊藤慎二
〈コラム〉宮古・八重山諸島のグスク時代石積遺構について 久貝弥嗣

歴史学から
古琉球期における首里城の様相と変遷 上里隆史
〈コラム〉 絵図から見た首里城 外間政明
近世琉球期の首里城―儀礼空間としての首里城 麻生伸一
〈コラム〉 首里城で働く人々―庖丁人と琉球の料理について 山田浩世
近代の首里城―県民に開かれた御城 喜納大作

文学・芸能から
祭場としての首里グスク 島村幸一
芸能の舞台としての首里城 茂木仁史
漢詩に詠まれた首里城 高津孝
〈コラム〉 首里グスクの御内原 島村幸一
散文に描かれた首里グスク 仲程昌徳
短歌のなかの首里城 屋良健一郎

建築学・工芸から
中華礼制蕃国礼執行装置としての首里城 伊從勉
首里グスクの「異産至宝」 上江洲安亨
首里グスクを中心とした衣文化―三山時代から近世琉球国後期頃まで 久貝典子

首里城を知るための〈入門〉十冊 輝広志

あとがき 島村幸一
執筆者一覧
プロフィール

高良倉吉(たから・くらよし)
琉球大学名誉教授・元沖縄県副知事。専門は琉球王国史。首里城復元の委員、NHK大河ドラマ『琉球の風』の監修などを担当。
著書に『アジアのなかの琉球王国』(吉川弘文館、1998年)、『琉球王国史の探求』(榕樹書林、2011年)ほか多数。

島村幸一(しまむら・こういち)
立正大学文学部教授。専門は琉球文学・琉球文化史。
著書に『『おもろさうし』と琉球文学』(笠間書院、2010年)、『琉球文学の歴史叙述』(勉誠出版、2015年)、『おもろさうし研究』(角川文化振興財団、2017年)、『琉球船漂着者の「聞書」世界―『大島筆記』翻刻と研究』(編著、勉誠出版、2020年)などがある。

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