ハナシガタリノミンゾクシ

ハナシ語りの民俗誌

川島秀一 著
ISBN 978-4-585-33006-6 Cコード 1039
刊行年月 2024年8月 判型・製本 四六判・並製 256 頁
キーワード 文化史,民俗学

定価:3,520円
(本体 3,200円) ポイント:96pt

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書籍の詳細
耳と口とが生きていた時代とは、心も生きていた時代であった―

他愛もないタトエ話、田植えをしながら語られた色話、水引きのときの世間話、巫女が語る言葉、小正月のときに語られる漁村のホラばなし……。
「口承文芸」・「民俗学」などという言葉でくくられる以前の、身近なところに溢れていた「ハナシ語り」。
これら「ハナシ語り」はどのような場で生まれ、語り伝えられてきたのか?
それらを記録し、活字化した人たちはどのような意識だったのか?
「ハナシ」に残る儀礼や伝説は、どのように変化し、伝わってきたのか?
「ハナシ語り」が生き生きと行われ、自在に再生産される場に寄り添ってきた著者の体験から、人びとにとっての「ハナシ語り」の場の意味と機能を考える。

 

 

目次
はじめに

第一部 話が発生する現場から
 第一章 タトエ話の伝承世界―宮城県気仙沼地方の事例から
 第二章 ことわざの民俗
 第三章 農作業と口承文芸―オイサミ話と水引き話
 第四章 漁師の語りに出会う―沖や海底の出来事を語ること

第二部 話を集めた人びと
 第一章 菅江真澄の耳の位置
 第二章 声を文字に換えること―佐々木徳夫の半世紀
 第三章 声の配達人―阿彦周宜『天楽丸口伝』の方法

第三部 語りから話への回路
 第一章 口寄せの声
 第二章 一生を語るということ―東北の口寄せ巫女の語り
 第三章 タイシ像のオシラサマ

第四部 在地伝承を越えて
 第一章 「小便観音」の伝承誌
 第二章 「皆鶴姫伝説」をめぐる断章
 第三章 「太夫黒伝説」をめぐる断章

あとがき
初出一覧
プロフィール

川島秀一(かわしま・しゅういち)
1952年、宮城県気仙沼市生まれ。神奈川大学特任教授、東北大学災害科学国際研究所教授、日本民俗学会会長を歴任。専門は民俗学。第72回河北文化賞受賞。
著書に『ザシキワラシの見えるとき』、『憑霊の民俗』、『魚を狩る民俗』(以上三弥井書店)、『漁撈伝承』、『カツオ漁』、『追込漁』(以上法政大学出版局)、『津波のまちに生きて』、『安さんのカツオ漁』(第26回高知出版学術賞)、『海と生きる作法』、『春を待つ海』、『いのちの海と暮らす』(以上冨山房インターナショナル)、『「本読み」の民俗誌』(勉誠出版)などがある。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「河北新報」(2024年11月19日、20面)に写真入りで大きく紹介されました。
「信濃毎日新聞」(2024年11月30日、16面読書欄)に書評が掲載されました。→評者:石井正己氏(東京学芸大学名誉教授)
「サライ」2025年1月号(小学館、2024年12月9日発売)の「BOOKレビュー」にて紹介されました。

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