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南方熊楠と日本文学

伊藤慎吾 著
ISBN 978-4-585-22270-5 Cコード 3095
刊行年月 2020年3月 判型・製本 A5判・上製 408 頁
キーワード 民俗学,説話,古典,近世,中世,中古

定価:7,700円
(本体 7,000円) ポイント:210pt

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書籍の詳細
人文学黎明期に、熊楠は日本文学にどのような価値を見出し、学問に利用していったのか?

近代における諸学問の形成の時期に在野にありながら数多くの論考を展開した南方熊楠。その論考の多くには、文学作品が資料として使われており、そこには今日でも通用する見解が散見される。
熊楠が研究の基礎とした近世随筆・説話集、お伽草子や近世怪談などの資料群を精査し、近代前期における人文学の展開の中に位置付け、看過されてきたアイディア、研究のオリジナリティを発掘することにより、これからの日本文学研究の可能性を提示する。
熊楠自筆『熊野の本地』・「横山重書簡」・「横山重寄贈本書入れ」・南方熊楠顕彰館所蔵『絵巻物断簡』などの貴重資料の翻刻も多数収録。

 

 

目次
序論 南方熊楠と日本文学

第一部 古代・中世文学の受容
第一章 南方熊楠の文学史的認識
第二章 横山重と南方熊楠―お伽草子資料をめぐって―
第三章 南方熊楠書写『熊野の本地』の性格
第四章 南方熊楠『蛤の草紙』論の構想
補論 折口信夫の壱岐調査と文学史

第二部 近世文学の受容
第一章 南方熊楠の妖怪研究と近世説話資料
第二章 南方熊楠と近世期翻案系怪談
第三章 南方熊楠と『甲子夜話』
第四章 妖怪研究と説話・民俗―西牟婁郡江住村のネコマタに及ぶ―
第五章 南方熊楠の妖怪名彙〈鬼〉について
付論 文芸創作について

第三部 資料編
1 『熊野廼縁起』
2 横山重書簡・翻字資料
3 横山重寄贈本書入れ
4 南方熊楠顕彰館所蔵『絵巻物断簡』影印と翻刻
プロフィール

伊藤慎吾(いとう・しんご)
国際日本文化研究センター・客員准教授。学術博士(埼玉大学)。
単著に『中世物語資料と近世社会』(三弥井書店、2017年)、『擬人化と異類合戦の文芸史』(同、2017年)、『室町戦国期の公家社会と文事』(同、2012年)など、共著に『怪人熊楠、妖怪を語る』(同、2019年)、『熊楠と猫』(共和国、2018年)などがある。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「週刊ポスト」(2020年5月1日号)に書評が掲載されました。
 →評者:大塚英志(まんが原作者)
「熊楠研究」15号 (南方熊楠研究会、2021年3月31日)に書評が掲載されました。
 →評者:小峯和明氏

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